類似点の考察

ボクタイファンの菊地文学が気になる理由

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Vampire Hunter D-jango illustration
吸血鬼ハンター"D"jango、天野画伯風味。

もくじ

⚜ はじめに ⚜

当ページの内容は管理人の個人的見解であり、憶測の域を出ないものです。両作品に興味を持っていただく機会になればと類似点を挙げるものであり、関連性の指摘や批判を目的とするものではありません。

記事では菊地秀行先生によって執筆された小説〈吸血鬼ハンターD〉と〈魔界都市ブルース〉関連作品を扱います。原作を基にメディア展開された漫画やアニメ版の作品はほぼ扱いません。

「吸血鬼ハンターD」第一巻をはじめ、現在では入手の難しい菊地文学本を譲ってくださった先輩ファンの奥様に感謝の意を表します🙏

著者について

[Wikipedia]

菊地秀行(1949-)は日本の小説作家。ジャンルというかキーワードはホラー、SF、クトゥルフ、歴史、アクション、バイオレンス、武器…といったような感じ。「超伝奇」のキャッチコピーもよく目にするけど意味は不明。人間離れした美男美女がよく登場する。映画評論家としても知られ、特にホラー映画愛がすごい。小説の漫画化やアニメ化の影響もあり80-90年代にかけて多くのファンを獲得、後の作家にも影響を与えたため、ボクタイに限らず他作品にも類似点がたくさん見つかるはず。

ジュブナイル小説だけでなく大人向けの小説も執筆するので、作品の公の場での語りにくさは否めない。現代の「ラノベ」よりもやや固めの文章で書かれているので若い読者が取っつきにくいのも事実。また初期のファンが同人誌やネット黎明期の個人サイトで情報を交換していた世代のため、多くのサイトが閉館してしまった現在では当時の情報や二次創作物が観覧できず、ファンの世代層のギャップも存在する模様。それでも海外ではアニメ映画や漫画版も好評のようなので、日本でも再評価が必要な推しジャンルが菊地文学です。

吸血鬼(バンパイア)ハンターD シリーズ

[吸血鬼ハンターD]シリーズ書籍の写真
[Wikipedia]

[吸血鬼ハンターD](1983)シリーズは菊地先生の代表作のひとつ。2025年現在、43+1巻(一巻が数冊に跨っているものや短編集も含めて)が刊行されている他、主人公の違うスピンオフ小説や天野画伯の画集(書き下ろし短編付き)なども存在。1985年には第1巻がアニメOVA化、2001年には第3巻がマッドハウスの超絶クオリティでアニメ映画化されているのと、2007年から原作にわりと忠実な漫画版も多言語で出版されている。

物語はタイトルの通り「D」と名乗る(美形の)ハンターが吸血鬼を退治する話。一巻ごとに完結するので実質どこから読み始めても問題はない……けどやっぱり第一巻から読むのがお勧め。設定もとにかく簡素で、ホラーでウエスタンでダークファンタジーな遠い未来の世界の辺境が舞台。全シリーズ共通の登場人物は三人のみで、一人はDの左手、もう一人は滅多に登場しない謎の人物のため、読者は独特な世界観の中でDの旅や戦いを追っていくことに。

先生の一番好きな映画が[ドラキュラ](1958・ハマーフィルム)だそうで、吸血鬼を書かせたら菊地先生の右に出る作家はいないと自信を持って宣言できるくらい好きな作品。ボクタイ好きにはさらにお勧め。

魔界都市 関連シリーズ

[魔界都市〈新宿〉]と続編の写真
[Wikipedia]

残念ながら「魔界都市」関連は蔵書が少なくあまり詳しくないので知っている情報だけ。[魔界都市〈新宿〉](1982)は菊地先生のデビュー作で、父から託された木刀と「念法」という能力を持つ十六夜京谷(いざよい きょうや)君が邪悪な魔導士を倒すお話。続編も何冊か刊行されているようです。

舞台となる〈新宿〉は、壊滅的な地震によって外界から隔絶されて魔界と化した何でもありの危険な場所。超常現象、魔法、錬金術、マッドサイエンス、遺伝子操作、薬物、サイボーグ、秘密兵器、超人、怪物、犯罪組織、ヤクザ……と、なぜか住んでいる一般人。濃厚に漂う妖気に惹かれて、怖いもの見たさでつい読んじゃう。


[魔界都市ブルース]と関連書籍の写真
[Wikipedia]

一方、別の主人公が中心となる[魔界都市ブルース](1986)を初めとする短編シリーズや長編、スピンオフ作品も不定期に出版されています。前作までの〈新宿〉との関連性は不明瞭ながら、同じ場所と考えても差し支えはなさそう。ただしこちらは大人向けテイストで書かれており、エロ・グロ・バイオレンス成分が惜しみなく含有されています。とはいえ当時ボクタイしていた太陽少年・太陽少女たちも、さすがに成人している頃だろう…。

せんべい屋を営む超絶美形の青年で、目に見えない「妖糸」を操る能力を駆使して人捜しも請け負う「秋せつら」の他、魔界医師メフィスト、魔界刑事・屍(かばね)、吸血鬼のリーダー・夜香(やこう)、仮面の花屋、人形娘など様々なキャラクターが登場し、それぞれが主人公の物語も出版されています。そのため本の総数はこちらの〈新宿〉の方が断然多く、複数の出版社から刊行されているので全巻を把握するのは困難。主要なキャラクターが多く登場するのと、敵が吸血鬼のグループということで、長編「夜叉姫伝」が管理人のお勧め。

ボクタイについて

[ボクらの太陽]シリーズと漫画版[太陽少年ジャンゴ]の写真
[Wikipedia]

[ボクらの太陽]は、コナミ・小島秀夫監督によるGBA用のゲームシリーズ(2003、2004:太陽少年ジャンゴ、2005:サバタの逆襲)。その最大の特徴はカートリッジに搭載された太陽センサーと、現実の太陽光を使用してゲームを進めるシステム。日光を使用する主な目的は、敵であるアンデッドや吸血鬼を倒すこと、そしてそういった存在を操り地球の生命の根絶を目論む「イモータル」から世界を救うこと。植物を育てたり、武器を錬成したり、お金になったりと、他にも日光の使い道は色々とあるのですが。

主人公は父から太陽銃「ガン・デル・ソル」と紅のマフラーを受け継いだ吸血鬼ハンターの少年ジャンゴ。太陽の使者「おてんこさま」と共に、荒野や廃墟や城を冒険し、パズルを解いたり、ボスを倒してダンジョンの外に引きずり出して日光で浄化したり。太陽仔と月光仔の血を引くジャンゴは太陽の力「ソル」以外にも四大元素「フレイム、フロスト、アース、クラウド」の魔法も使用可能。後に吸血鬼に咬まれ、ヴァンパイアの力や暗黒魔法も習得します。

シリーズ四作目となる[ボクらの太陽 ジャンゴ&サバタ(DS)](2006)では、物語の舞台が未来となり登場人物も一新。闇の力を持つ剣士の少年サバタと、太陽の力を持つ見習い銃士の少年ジャンゴのダブル主人公となります。宇宙船や異星からのテクノロジーなどSF要素が追加され、敵も地球の吸血鬼を束ねて人類を脅かしている宇宙人という設定。カートリッジに太陽センサーがない代わりに、ゲーム内では昼夜のサイクルと様々な気候が再現され、プレイヤーは疑似的な天候を利用して冒険を進めます。

2003年から2007年にかけて、このゲームを原案とした漫画[太陽少年ジャンゴ](ひじおか誠)もコロコロコミックで連載されていました。後に8冊の単行本として小学館から出版されています。大まかな設定やキャラ名などは共通しているものの、ストーリー上の共通点は少なく、デザインやスタイルも読者層に向けてデフォルメされているので、別作品として楽しむのがお勧め。実際ゲーム版はよく知らないけど漫画版は大好き、という元コロコロキッズのファンも多数存在する模様。

共通点・類似点の一覧

ネタバレを防ぐため、一部の文字を[このように]伏せています. ハイライト選択すると読めます。この色の文字は管理人のコメントです。

ボクタイからの引用のサンプルです。 菊地文学からの引用のサンプルです。

ボクタイ

ボクタイDS

吸血鬼ハンターD

その他

とりあえずこれだけ。新たに類似点を発見したら加筆したいと思います。これ以外の類似点や誤りを見つけましたら、ぜひ管理人に報告して下さい。加筆・修正させていただきます。

By LadySolMina, 2025.4.01

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